高橋是清総理大臣の年俸と同じ価格の万年青【根岸松の図】

高橋是清総理大臣の年俸と同じ価格の万年青【根岸松の図】

『根岸松の図』

NHK趣味の園芸12月号にて、万年青が【ディーププランツ入門】で紹介されました。そこで、相手の幸せを願って引越しに万年青を贈る風習や、江戸時代から昭和にかけて非常に高額だったことの話をしました。

特に万年青の金額については、江戸時代には1億の万年青もあったことや、万年青の売り上げで戦闘機を二機献上したり、家一軒、アパート1軒と万年青の苗を交換したりと、今では考えられない高額での取引の話を祖父から聞いていました。

その時代時代で物の価値や価値観は大きく変わりますが、一つの物差しとしてみると面白いですね。私の祖父である豊明園二代目の水野淳蔵の話で、総理大臣の年俸と同じ価格の万年青【根岸松の図】の話を小さいころよく聞かされていました。

今回のNHK趣味の園芸さんでは、【根岸松の図】という万年青が、当時の総理大臣、高橋是清総理大臣の年俸とほぼ同じ価格で取引されていた、という逸話を紹介しています。

時代は大正時代。大正10-11年に総理大臣だった高橋是清の年俸は12000円。ちょうどその時期に発見された【根岸松の図】が、総理大臣の年俸と同じとして切りのいい1万円で取引されました。現在の総理大臣の年俸が4000万円ちょっとなので、単純計算すると万年青1鉢4000万円!すごい値段ですね。

ちなみに大正末期の米一升(約1.8L、約1.5kg)50銭、大卒初任給50円、たいやき一尾1銭、帝国ホテル宿泊料金一人部屋8円。酒1升 特級酒2円50銭

純金1gあたりの小売年間最高価格は、1925(大正14)年で1円73銭 (2021年1g6500円)

現代では【根岸松の図】は非常に手ごろになっていますが、こういった歴史的な経緯から、常に万年青の世界の顔として、人気は常に最上位に位置しています。

 

参考資料 【萬年青の歴史】【NHK趣味の園芸2020年12月号】

 

 

 

高橋是清 略歴

嘉永7(1854)~昭和11(1936)  幕府御用絵師の子として生まれる。

明治4年、唐津藩耐恒寮の英語教師、月俸100円。(破格の待遇)

明治6年、文部省督学局十等出仕、月俸40円。

明治8年、文部省督学局九等出仕、月俸50円。

明治17年、農商務省権少書記官、月報100円。

明治25年、日本銀行建築事務主任、年俸1200円。

明治26年、日本銀行西部支店長(馬関=現下関)、年俸2000円。

明治44~大正2年、日本銀行総裁、年俸6000円。

大正2年、大蔵大臣、月俸500円。これより何度か大蔵大臣、農商務大臣などを歴任。

大正10~11年、総理大臣、月俸1000円。

万年青の価格は万年青の質、数(希少性)、人気など様々に絡み合って値段が決まっていきますが、時代の雰囲気、ブームなどにも影響されます。

 

 

 

 

 

 

動画解説 高橋是清総理大臣の年俸と同じ価格の万年青【根岸松の図】

【OMOTO at the same price as the Prime Minister’s salary】Rohdea japonica

 

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